おもしろいことにはおもしろかった。
高まる期待に流されるがまま購入した作品であったが、蓋を開けてみるとちゃんと宝石箱であった。
登場するキャラはどれも魅力的で、それを媒介するセリフ、声優の演技等は、どれもぴたっとはまっているようだった。
そして、僕はキャラを愛しすぎた。
たしかに、光速のテンポで進む本作はおもしろい。
加えて終盤の手前、「ラブ」という存在には目を見張った。さっきまでコメディが展開されていたのに、いつのまにか「愛」とコメディが混在していた。それに気づいたとき、ものすごくわくわくした。そして、もっとこの日常が見たいと思った。終わりが近づいてることも分かってはいたが、そう思わずにはいられなかったのだ。
このときの僕はじきに夢から覚めるとわかった子供だった。
物語の終盤は正直よくわからなかった。
綺麗に回収している個所はあった。でも、アスタロトと闘うこと、これだけはよく分からなかった。なんのために奴が存在しているのか。悪は彼の正義なのか。なに一つ共感できることない言動にため息をつくと同時に、よくアニメである「お前に何がわかる?」という悪党のセリフが思い起こされ、その一言、たった一言の重要性に気づかされた。
ハクアちゃんについてもだ。アスタロトはなにげに娘を気にかけていたが、そこらへんのことがかみ合いそうでかみ合っていなかったので非常に残念だった。(工数的な問題なのだろうか?)
別離についてもだ。僕は傲慢なので、アルコが好きなので認めがたかった。
光速で歩んできた物語をあのように終わらせることは許されなかった。
アスタロトという存在が、もっと彼女らの考え方を捻じ曲げてしまうようなキャラ性を有していたなら、少しは納得できたと思う。
アルコがいなくなるのは、あまりに突然なことのように僕は感じたのだ。
夢が覚めるのはいつも突然だ。
最後に
もっと光った作品になれたのではないかという思いがあるものの、楽しかったことに変わりない。
頼むから続編だしてくれ~~~~~~~~