哲学的なお話を期待して手に取ってみた。
今回の感想はかなり抽象的になりそうなので、プレイ済みの人こそ読んでほしいなぁと思う。

終えてみた今の気持ちを正直に吐露してみよう。
「なんだこりゃ」

はじめは、テキストの言い回しから認識に関するテーマをものすごく感じたので、
あの世界そのものが彼女らの認識が作り上げたものだと思っていた。
しかし、座敷童が存在してあの世界が実際に存在していると言うのだから、そうなのだろう。
もっとも、彼女の発言によって世界の存在は証明されるわけではないのだが。
で、そこらへんを考えてみたい。
加えて青空について。

最終的に蛍は元の世界に戻される(?)わけだが。
そこに燐の姿はない。
その場面で流れたテキストはやけに対比を強調するので私の目には印象的に映った。
燐と蛍もまた対照的だと言いたいのだと思った。(青と白も同様だ)


では、あの世界はなんだったのか。
それはよく分からない。
しかし、思うに二人だから成り立っていた世界なのだろうと私は思う。
青と白の調和がとれてなりたつ世界なのだ。どちらかが欠けては成立しない。


それは、攻略中に考えさせられたことでもあった。
二人は一緒にいると強くなるのだ。
もちろん、物理的にではない。精神的にだ。
世界の構造を把握し、それでも立ち向かうってのは一人じゃ無理だ、すくなくともあの世界じゃ。
そういう意味でシナリオに暖かみを感じたエロゲだった。

そして、ともに時間を共有することで見方の違いが鋭さを増してくるのかもしれないとも思った。
二人はいっしょにいると強くなる、私はそう言った。
しかし、当たり前だが自分の生き方については自分で決めるべきなのだ。

彼女らはそれに気づいたのだと思う。

そう考えるとカミュの言葉も効いてくるのではないか?
あの、、、ちゃんと思いだせないけど、
 絶望に慣れるのは絶望よりも悪い
みたいな言葉。

燐はどうなったのかは知らない。
個人的にはあの世界は崩壊したのだと思ってしまうけれど(だって実存するか誰にも分からなくなっちゃったんだもん)白の世界で生きているのかもしれない。



最後に
こうして考えてみるとなるほど神ゲーかな?と思ってしまうからおもしろい。
さすがに、神ゲーではないにしろ、十分楽しめる作品だった。えっちもよかったしね。
次はなにやろーかな。