nineシリーズ三作目としての感想を綴りたい。

今作はかなりクオリティがアップしており、シリーズを買い続けた人にとってとてもうれしい出来になっていると思う。一作目はつかみがよく、二作目で若干失速したものの今作はほとんど完璧といっていい出来だったと思う。本当におもしろかった。
(個人的に点数をつけるなら、一作目 84点 二作目 73点 今作 90点である)

まず、良かった点。それは最初からおもしろかったということ。
今作は春風先輩と主人公が直接やりとりをする”枝”であるわけだが、彼女の属していることになっている敵グループに潜入を試みたりとちゃんと物語が展開された。一作目二作目では、自ら敵に接触する展開はシナリオの都合上どうしても後の方になっており、序盤が少し退屈だった。しかし、今作は三作目ともあってある程度設定を出しているため制限なく物語が展開されたように思う。
あと、opがよかった! 新たな秘密に迫った時、唐突に流れ出した映像の圧倒的クオリティに鳥肌が立ったと同時に、そのCGに神作を予感した。

中盤の展開もよかった。主人公の能力”オーバーロード”が明かされ、敵に何度も挑む様は見ていて興奮した。敵キャラのCGかっこよすぎでしょ。

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イーリスを退けてからは主人公と春風先輩が結ばれる流れであったが、その合間にも好きなシーンがあったので紹介したい。
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本当になんてことないシーンだが、蓮夜がいっしょに昼飯を食べようと誘ってくるシーンだ。蓮夜が言うには与一はどこに姿を消したらしく、なんともいえない感情になった。蓮夜は普段ぼっち飯らしいが、それでも主人公を訪ねてきたのはやっぱり寂しい思いがあったのだなと感ぜられた。与一が根っからの敵キャラだったならこうも感傷的にならなかったと思う。このシーンは高々二、三十行程度のテキストからなるものであったが、ずっと僕の頭の中に残り続けるように思う。

春風先輩の方に話を戻すが、まだおもしろいと思った点があって、それは二重人格を否定しなかったっていう点。春風先輩は最後までふたつのキャラを持ちあわせていた。それでえっちもうまく使い分けたりと”実用上”のメリットもあったわけだが、強調したいのは次の点だ。それは、能力を受け入れたということ。最後に主人公は止むをえず能力を殺しに使おうとし、それを与一に指摘される。しかし、春風は自らと照らし合わせて主人公の正当性を主張するのだ。

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春風は能力で得た新たな人格を否定せず、むしろ能力に怯えてる面を克服し、能力を開化させた。そして、そのときのセリフ「わたしは、お姫様になりたかったけど.....ッ」。これはかなりのエモだと思う。

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そんな能力を受け入れた春風を見て、主人公はなんどでも未来をやり直す能力を持っているけれど、春風と結ばれたこの”枝”はかけがえのないものなんだなとも思った。
つまり、読後感が心地よいただの神ゲー。

最後に
期待以上におもしろくびっくりしてしまった。あとここらへんで気になりだしたタイトルのnineの意味。どうやら僕が九人目のようで次の作品も買うしかないようです。
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